Color Column

伊藤裕子@心と体のカラーセラピスト

人は意外と自分を知らない

「人間て、意外と自分のことがわかってないんだな」
私がそう思ったのは、カラーと出会ったからでした。

パーソナルカラーという、似合う色の診断を知ったのは学生時代。
母が「受けてきた!」と楽しそうに話しているのを聞いて、私も受けてみたいと思ったものでした。
けれどなかなかチャンスが訪れないまま、気づけば私はプロになり、診断する側になっていました。

今の私しか知らない方には笑われるかもしれませんが、私は昔、ハードでかっこいい系を目指していました。
それが自分だと思っていたのです。
パーソナルカラーでいえば、自分ともっとも縁遠いものこそ「春タイプ」だと思っていました。

 明るくてかわいいし、キラキラしているし。
 自分とは無縁。

けれど診断してみると私は春タイプ。
その時私は、いかに自分が自分のことを知らず、勝手な自己評価で生きていたのかということを知ったのです。

パーソナルカラーは基本的に色を4つのグループに分類します。
それぞれ【春】【夏】【秋】【冬】という名前がついていることは、広く知られているでしょう。
そしてそれらにはそれぞれ、色ともリンクするイメージがあります。

【春】
春のお花畑のように明るくキラキラした色やパステルカラーが似合うタイプ

【夏】
紫陽花の花のような色や夏の朝もやのような穏やかなスモーキーパステルが似合うタイプ

【秋】
秋の紅葉のように深みと落ち着きのある色やアースカラー・スパイスカラーが似合うタイプ

【冬】
冬の夜空のようなダークな色、ネオンのように鮮やかな色・アイシーカラーが似合うタイプ

パーソナルカラー診断にお越しくださったお客様に「似合う色」について説明した後、私はよくお客様に「どのタイプの色をよく着るとか、好きとかありますか?」と伺います。
すると「春タイプだけは絶対に違うと思う」と自己申告してくださる方の98%が春タイプという診断結果。
かつての私と同じです。

自己評価もそうですが、特に春タイプはパステルカラーのかわいい色が多いので、年齢を重ねるほどに遠ざかってしまう方がたくさんいらっしゃる。
「若い子が着る色でしょ。若作りだと思われたら嫌だもの」
結果、「似合う色がない!!」という現象に陥ってしまうのです。

けれど、「若々しい」と「若作り」は違います。
春タイプは、もともと持っている若々しさとか、みずみずしさとか、そういうものを出していかないとかえって老け込んで見えてしまう。
でもそれはあまり知られていないから、年齢を重ねるほどに逆方向へ向かってしまうのです。

人は意外と自分を知らない。

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